2012年12月21日

企画出版で本を出版すること

今回、“ブログを開設していること”がキッカケになり、出版会社から「企画出版」で本を出すことになりました。

本の内容は、私がまだ会社勤めをしている頃にやっていた「単身赴任」の話です。
私がよく更新している「アーリーセミリタイア生活日記」というブログを本にしたわけではありません。私は単身赴任をしていた頃、上記のブログ記事のように、毎日の単身赴任生活をなんとか少しでも 楽しく お金がかからず 単身赴任ならではのメリットを享受できるよう、工夫を重ねていましたが、その経験談を本にしたというものです。

私は今から6年前に一度その単身赴任生活の処世術みたいなものを自費出版の本にしました。その本を別の出版社の編集局長が読み「さらに内容強化した本を書かないか!」と私にオファーが有ったのです。
オファーと言っても、その編集局長は私へなかなか連絡することが出来なかったらしいです。私が自費出版した会社は私の住所や電話番号を知っていますが、よその出版会社の社員である編集局長からの私の個人情報問い合わせには応じなかったということでした。
それでその編集局長は「多分このブログがその人物であろう」察しをつけ、私のブログのコメント欄に「本を書く気はありませんか」と打診を入れてまいりました。その打診に私が応答したところから、今回の企画出版の話が具体化していきました。

私がその出版会社の編集局長へ電話すると、すぐ「来週会いましょう」ということになりました。私は関西に、編集局長は東京がオフィスでしたが、わざわざ出張して来ると言うのです。合わせて「今回出版するとしたら・・・」と彼のまだ漠然としている構想を電話で聞かせてくれました。

私はこのチャンスに是非企画出版に漕ぎ着けたい!と思いましたので、その“漠然とした構想”をベースに「このような感じでしょうか・・・」と目次案とそれぞれの章に何を書くかメモにして編集局長に会いました。

「企画出版」とは出版会社が本にしたい構想を作り、内容を誰かそれに精通する人物を選んで書いてもらう方式の出版のことを言います。自費出版では、著者は自分の思い通りの本を書けますが、企画出版では出版会社主導で構想が決るからそれに沿って書かねばなりません。しかしその代わり、出版のために著者は、自費出版のように多額の出版費用を出さなくて済みます。
私が持参した「目次案と内容の概略」には早速、「これではダメだ」というコメントを言われました。編集局長は私のかつての自費出版の本を出してきて「あなたの書き方は、前置きが長すぎてなかなか本題に入らない。それがいけない。今回のあなたの提案もそうなっている」と言いました。もっと単刀直入に本題を書き始め、単身赴任では何が必要なのか、どうしてそれをすることが大切か、その説明は具体的であればあるほど良い、ということでした。

その話は4時間にもなり、私もけっこう疲れましたが、別れ際に編集局長は「初めて会う人が、まさか提案書まで持って来るとは思わなかった。しかしそれを持って来たから、今日は原稿を書くことにかなり近づいた」と言ってくれました。そして次週までに出版会社の構想にもっと合う、改良版の提案書を私が作成してその編集局長にメールで送ることになりました。

このように「企画出版」といっても、実際は出版会社と著者が共同で企画を練っていく作業がついてきます。その主導的立場が著者でなく出版会社にあるということが特徴で、著者の自由はそれだけ狭まりますが、狭まった自由といっても、実際の内容は著者に任されているので、自由が狭いというより、書く方向が定まった、という感じでしょう。

次の改良版構想書を出版会社に送ると「もっとたくさんの項目を書いてくれないか」となってきました。書く方向は良いけど情報量を上げたいとの企画のようです。私もそれに沿って構想を練ることを約束しました。書く方向は定まりました。「では一度、どんな内容を書くのか分かるように提案書を書いて欲しい」と編集局長が言うので、私は本の下書きをすべて書くことにしました。

本は大体200ページ、下書きなので、なぐり書きのようなものになりましたが、毎日14時間パソコンに向き合って、私は1週間で本全部の下書きを終えました。これを送ったら編集局長もどんな本になるか分かってくれるだろう、と思ったからです。

私はいつも朝起きてすぐ、バスや電車の中、一人で散歩中、こんなときにアイデアが浮かぶので、いつもメモ帳を持ち歩き、そのメモを元にとにかく200ページ分の文章を一週間で書き上げました。これを送ったところ、編集局長からの返事は「よく読んでいないけど、内容のワクワク感はある・・・」とのことでした。
要するに、著者の下書きなど忙しい出版会社の人は超ザッとしか読まないのです。私は下書きとしては文章を書きすぎてしまいました。

しかし「良さそうだから、一度全部書いてくれ」という運びになり、また一週間かけて本にまとまるよう丁寧な文章で下書きを書き直しました。これが初稿になるわけです。
初稿の作成は下書きに比べると、作業的には楽でした。下書き量が多かったので、それを取捨選択して加筆削除するような調子で初稿ができあがりました。
また早速、この原稿を送ったところ「少しストーリーの流れを変えますよ」と言われ、「こんなふうにして欲しい」と出版会社側から指示がありました。

私はそのストーリーの流れに合うように、書いた章立てや内容の順番を入れ替え、合わない内容を削除して、新しい内容を書き足し・・・という作業に一週間追われましたが、期限内に第二稿として送付することができました。

この第二稿でストーリーはほぼ確定です。ここまで初めて編集局長にお目にかかってから約1ヶ月で辿り着きましたが、ふつうはもっと時間がかかるらしいです。私はセミリタイヤメントなので、自由にできる時間をたくさん持っていますから1ヶ月でできました。

この第二稿を元にして校正作業が始まりました。表現の不明確な箇所、不合理なところ、誤字脱字などを修正する作業です。特に著者としての私は「校閲」と言って、書き方間違いだけでなく、内容そのものについても妥当かどうかを見直ししなければなりません。これにはけっこう神経を使います。さらに、校閲には紙にプリントしたゲラを使い、郵送でやりとりしなければならず、時間がかかります。

今はやっとこの最終仕上げの段階に着ました。
これを終えると、ほぼ著者としての私は出る幕が終わります。
この後は、出版会社が本に仕立てる仕事に移り、本の題名などもその段階で会議を開いて決めるのだそうです。

私の場合は過去に自費出版で本を出し、その内容がたまたま今回の出版会社が出したいことと合っていたのでブログのコメント欄で出版の誘いがありました。私は最初「アーリーリタイヤの本」の依頼なのかと思いましたが、さすがにそれは違いました。
「ブログを本にする」、しかも企画出版で、ではありませんでしたが、人によってはそのようなチャンスを掴む人もいらっしゃるのでしょう。このような企画出版で本が出せると、出版費用がかからないところが著者には良いところです。作家さんならこれでメシを食っていくのでしょう。しかし私はセミリタイヤメントなので、これでメシを食うつもりはありません。リタイヤメントのメシは年金か貯蓄取り崩しで食うのです。だから印税収入は関係ありません・・・本音はちょっとはいただきたいですが。。

その成果物の本(電子書籍)


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posted by 大庭夏男 at 16:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 出版ビジネス | 更新情報をチェックする
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