2012年12月26日

税理士がなかなか言及しない“国民健康保険料”の節税

過日、税理士による確定申告セミナーがありました。
この手のセミナーでの説明は、どの場合でも多くが「所得税」についての解説であり、ついでに「住民税についてもほぼ同様です」と補足的に所得税と住民税は関係する部分が多いとの説明がありますが、国民健康保険料についての説明はありません。

私は、プチ起業の場合なら、会社員であれば年に20万円以内。この理由は給与所得者は年20万円以下のその他の所得が所得税申告免除になっているから。
退職して年金を受けているシニアはケースバイケースですが同程度で抑えて、あまり頑張って高所得のプチ起業家にならない方がいいと思います。なぜなら所得が増えると国民健康保険料もハネ上がるからです。

シニアの多くが加入することになるだろう国民健康保険は「保険料」によって賄われますが、この保険料は保険税とも言って、自治体が徴収する税の一種となっています。
参考:<ウィキペディア 国民健康保険税>

退職したシニアの特徴は「収入が少ない」ということなのですが、年金以外にプチ起業をすると、その収入もあります。収入額はたいしたことないからといい加減に確定申告を済ませると、本来払う必要の無い税も払ってしまうことになります。
特に国民健康保険税(保険料)は所得税や住民税がゼロでもかかりますが、税申告の方法しだいですごく減らせることができます。

まず、所得税がゼロでも住民税がゼロにならない場合があります。
そのマジックは、所得税の基礎控除(本人控除)が38万円であるのに対し、住民税の場合は自治体によって違いますが、33万円だったりします。
すると、年に38万円の所得では基礎控除によって差し引きゼロになりますが、住民税は38-33=5と、5万円の所得が残るので、住民税が出てしまうかもしれません。

しかし基礎控除以外にも、住民税の計算には扶養家族控除とか、生命保険控除などの所得から引く控除があるために、もっと多くても所得はゼロとなることがあるでしょう。
しかし国民健康保険税にはそれがありません。
33万円(自治体によって違う)しか引けません。

ちなみに所得8万円だったとしたら、国民健康保険税を算出する元になる数字は、上記のように5万円から計算します。
私のいる自治体では、これに医療分+後期高齢者支援分+介護分の合計14.68%を掛けて、7340円の所得割を計算するようになっています。

この14.68%という割合は所得税や住民税の税率と比べて小さくありません。だから、国民健康保険税を低く抑えるためには、上記の「38万円の所得」と書いた数字をできるだけ小さくできるように税申告する必要があります。

その方法は、プチ起業でも出来る限り開業届を税務署に出して事業所得とし、経費を計上することです。
所得=収入―経費 ですから、経費で33万円以下の所得まで抑え込めたら、国民健康保険税の所得割計算結果はゼロにできます。
プチ起業では収入が少ない場合「いちいち経費の計算しなくても、扶養家族控除や社会保険控除などでゼロになるから経費計上しないでもいいわ」と思っていると、それが引けない国民健康保険税だけはゼロにならず、結構高い保険税が課せられます。

だから、リタイヤ後にプチ起業する人は、儲け(収入)を全部消せるくらいの経費を計上するように、細かい交通費でも、ノートと鉛筆でも、なんでも経費にできるものはトコトン経費として計上したら国民健康保険税(保険料)は格安になるでしょう。

しかし自治体によっては計算式が違うところもあるので、念のため。。

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posted by 大庭夏男 at 14:41| Comment(0) | TrackBack(1) | その他 | 更新情報をチェックする

2012年12月21日

企画出版で本を出版すること

今回、“ブログを開設していること”がキッカケになり、出版会社から「企画出版」で本を出すことになりました。

本の内容は、私がまだ会社勤めをしている頃にやっていた「単身赴任」の話です。
私がよく更新している「アーリーセミリタイア生活日記」というブログを本にしたわけではありません。私は単身赴任をしていた頃、上記のブログ記事のように、毎日の単身赴任生活をなんとか少しでも 楽しく お金がかからず 単身赴任ならではのメリットを享受できるよう、工夫を重ねていましたが、その経験談を本にしたというものです。

私は今から6年前に一度その単身赴任生活の処世術みたいなものを自費出版の本にしました。その本を別の出版社の編集局長が読み「さらに内容強化した本を書かないか!」と私にオファーが有ったのです。
オファーと言っても、その編集局長は私へなかなか連絡することが出来なかったらしいです。私が自費出版した会社は私の住所や電話番号を知っていますが、よその出版会社の社員である編集局長からの私の個人情報問い合わせには応じなかったということでした。
それでその編集局長は「多分このブログがその人物であろう」察しをつけ、私のブログのコメント欄に「本を書く気はありませんか」と打診を入れてまいりました。その打診に私が応答したところから、今回の企画出版の話が具体化していきました。

私がその出版会社の編集局長へ電話すると、すぐ「来週会いましょう」ということになりました。私は関西に、編集局長は東京がオフィスでしたが、わざわざ出張して来ると言うのです。合わせて「今回出版するとしたら・・・」と彼のまだ漠然としている構想を電話で聞かせてくれました。

私はこのチャンスに是非企画出版に漕ぎ着けたい!と思いましたので、その“漠然とした構想”をベースに「このような感じでしょうか・・・」と目次案とそれぞれの章に何を書くかメモにして編集局長に会いました。

「企画出版」とは出版会社が本にしたい構想を作り、内容を誰かそれに精通する人物を選んで書いてもらう方式の出版のことを言います。自費出版では、著者は自分の思い通りの本を書けますが、企画出版では出版会社主導で構想が決るからそれに沿って書かねばなりません。しかしその代わり、出版のために著者は、自費出版のように多額の出版費用を出さなくて済みます。
私が持参した「目次案と内容の概略」には早速、「これではダメだ」というコメントを言われました。編集局長は私のかつての自費出版の本を出してきて「あなたの書き方は、前置きが長すぎてなかなか本題に入らない。それがいけない。今回のあなたの提案もそうなっている」と言いました。もっと単刀直入に本題を書き始め、単身赴任では何が必要なのか、どうしてそれをすることが大切か、その説明は具体的であればあるほど良い、ということでした。

その話は4時間にもなり、私もけっこう疲れましたが、別れ際に編集局長は「初めて会う人が、まさか提案書まで持って来るとは思わなかった。しかしそれを持って来たから、今日は原稿を書くことにかなり近づいた」と言ってくれました。そして次週までに出版会社の構想にもっと合う、改良版の提案書を私が作成してその編集局長にメールで送ることになりました。

このように「企画出版」といっても、実際は出版会社と著者が共同で企画を練っていく作業がついてきます。その主導的立場が著者でなく出版会社にあるということが特徴で、著者の自由はそれだけ狭まりますが、狭まった自由といっても、実際の内容は著者に任されているので、自由が狭いというより、書く方向が定まった、という感じでしょう。

次の改良版構想書を出版会社に送ると「もっとたくさんの項目を書いてくれないか」となってきました。書く方向は良いけど情報量を上げたいとの企画のようです。私もそれに沿って構想を練ることを約束しました。書く方向は定まりました。「では一度、どんな内容を書くのか分かるように提案書を書いて欲しい」と編集局長が言うので、私は本の下書きをすべて書くことにしました。

本は大体200ページ、下書きなので、なぐり書きのようなものになりましたが、毎日14時間パソコンに向き合って、私は1週間で本全部の下書きを終えました。これを送ったら編集局長もどんな本になるか分かってくれるだろう、と思ったからです。

私はいつも朝起きてすぐ、バスや電車の中、一人で散歩中、こんなときにアイデアが浮かぶので、いつもメモ帳を持ち歩き、そのメモを元にとにかく200ページ分の文章を一週間で書き上げました。これを送ったところ、編集局長からの返事は「よく読んでいないけど、内容のワクワク感はある・・・」とのことでした。
要するに、著者の下書きなど忙しい出版会社の人は超ザッとしか読まないのです。私は下書きとしては文章を書きすぎてしまいました。

しかし「良さそうだから、一度全部書いてくれ」という運びになり、また一週間かけて本にまとまるよう丁寧な文章で下書きを書き直しました。これが初稿になるわけです。
初稿の作成は下書きに比べると、作業的には楽でした。下書き量が多かったので、それを取捨選択して加筆削除するような調子で初稿ができあがりました。
また早速、この原稿を送ったところ「少しストーリーの流れを変えますよ」と言われ、「こんなふうにして欲しい」と出版会社側から指示がありました。

私はそのストーリーの流れに合うように、書いた章立てや内容の順番を入れ替え、合わない内容を削除して、新しい内容を書き足し・・・という作業に一週間追われましたが、期限内に第二稿として送付することができました。

この第二稿でストーリーはほぼ確定です。ここまで初めて編集局長にお目にかかってから約1ヶ月で辿り着きましたが、ふつうはもっと時間がかかるらしいです。私はセミリタイヤメントなので、自由にできる時間をたくさん持っていますから1ヶ月でできました。

この第二稿を元にして校正作業が始まりました。表現の不明確な箇所、不合理なところ、誤字脱字などを修正する作業です。特に著者としての私は「校閲」と言って、書き方間違いだけでなく、内容そのものについても妥当かどうかを見直ししなければなりません。これにはけっこう神経を使います。さらに、校閲には紙にプリントしたゲラを使い、郵送でやりとりしなければならず、時間がかかります。

今はやっとこの最終仕上げの段階に着ました。
これを終えると、ほぼ著者としての私は出る幕が終わります。
この後は、出版会社が本に仕立てる仕事に移り、本の題名などもその段階で会議を開いて決めるのだそうです。

私の場合は過去に自費出版で本を出し、その内容がたまたま今回の出版会社が出したいことと合っていたのでブログのコメント欄で出版の誘いがありました。私は最初「アーリーリタイヤの本」の依頼なのかと思いましたが、さすがにそれは違いました。
「ブログを本にする」、しかも企画出版で、ではありませんでしたが、人によってはそのようなチャンスを掴む人もいらっしゃるのでしょう。このような企画出版で本が出せると、出版費用がかからないところが著者には良いところです。作家さんならこれでメシを食っていくのでしょう。しかし私はセミリタイヤメントなので、これでメシを食うつもりはありません。リタイヤメントのメシは年金か貯蓄取り崩しで食うのです。だから印税収入は関係ありません・・・本音はちょっとはいただきたいですが。。

その成果物の本(電子書籍)


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posted by 大庭夏男 at 16:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 出版ビジネス | 更新情報をチェックする

2012年08月26日

「バランス・スコアカード」を私的流用する

会社でやらされていた数々の“経営・管理の手法”は、事後アンケートでは「たいへん有用だと思いました」などと書いている人も、本音では「難しい」「つまらない」「そんなヒマない」「誰かやってくれ」だと同僚は言っていました。

そういう「会社でやらされた手法」のひとつのバランス・スコアカード。
これを“私的流用”して、サラリーマン生活をしている“個人”への適用を考えてみました。

バランス・スコアカードというものは、それまでの会社経営の古典的考え「カイシャは儲けてナンボ!」が、もうちょっとマシにならないか、と世界の賢者が知恵を絞った力作だと、私はそう思っています。
「カイシャは儲けるだけが能じゃない、お客の信頼を得るのも、社員がそこで育つのも、感心するような仕事のやり方をすることも大事。」
という「カイシャを見る目」の視点があるよ!という教えのようなものです。
もうちょっと考えると、カイシャは儲けてナンボの世界だけど、商品を売るだけじゃなくて企業買収でどこかの立派なカイシャが自分の会社を買ってくれるかもしれないし、優秀な従業員は他社からヘッドハンティングもあるかも、スバラシイ仕事のやり方はそれ自体をコンサル業にできるかもしれない。
要するにカイシャの価値があがるネタがあるよ、という示唆なのかもです。

ま、ここまでは会社経営の話なので、アーリーリタイヤしてしまった私には、もう何の関係もないのですが、このバランス・スコアカードの考え方を“私的流用”して一社員という“個人”の立場に応用してみると、こんな感じになるでしょう。
「社員は会社で給料を貰うだけが能じゃない、同僚や上司が自分を“いいヤツだ”と思わせるのも、自分が会社で得をするのも、カイシャで経験することも・・・オイシイ。」

これについて掘り下げてみましょう。
「社員は会社で給料を貰う」
これはアタリマエですが、アタリマエならどうしてサービス残業をするのか?という疑問が残ります。実は私はサラリーマン時代にけっこうサービス残業をしていました。それも「やらされて」でなくて自分からやっていました。この理由はバランススコアカードの私的流用で言うところの以下の理由があったからです。

「同僚や上司が自分を“いいヤツだ”と思わせる」
カイシャの中で自分の味方を増やすことは大事なことです。そのため例えば同僚や上司の仕事を手伝うという利他的な行動をします。それがサービス残業になってもかまいません。そうやって同僚や上司に“貸し”をいっぱい作ります。
貸しを作ったからには、返してもらうことを期待します。
自分が窮地に陥ったとき、例えば帰ってテレビを観たいのに資料作りが間に合わないような場合に、貸しを作っておいた上司に「この資料は明日でもいいか?」と要求し、「・・・まあいいだろう」と言わせるわけです。
もし「バカ!今日中だ」などと言おうもんなら、いつか煮え湯を飲ませてリベンジを計ります。
たとえばその上司が困っているときに無視して助けない。こんなリベンジがソフトでいいです。それでもしその上司が頭を下げてヘルプを求めてきたら、何よりも速くやってあげましょう。
こうしていると、自分にとって良い人間関係が築けます。

「自分が会社で得をする」
考えてみるとカイシャには使えるモノがいっぱいあります。
そのうちカイシャのお金と、カイシャの備品と、カイシャの機密情報だけは私的流用するとヤバイですから、ヤバイことはしないようにします。
カイシャには気の会う仲間ができることも、冷暖房完備のステキな部屋とデスクも、自分をチヤホヤしてくれる取引先に方々も、エクセルやワードをタダで教えてくれる社員教育も・・・
これらはやり方によっては私的流用しても、あたかも「カイシャのため」というカモフラージュがカンタンです。
みんなが帰った静かなオフィスでの悠々としたくつろぎタイム。
取引先との打ち合わせ後の料亭での更なる打ち合わせ。
自分ひとりじゃ滅多にありつけない将来の儲けにつながりそうなスキルアップの教育の数々。
飲み会の後にサウナに行って、そこからオフォスに戻り机にうっぷして朝まで仮眠。朝一番にパソコンつけて机に向った姿に誰も異議は唱えないでしょう。
考えようによってはサービス残業代など凌駕してしまう得がカイシャには潜在しています。

「カイシャで経験する」
「苦労は買ってでもせよ」という戒めがあるようですが、そういわれたら「ハイ」ととりあえず言っておきましょう。
しかしそれが苦労だけのための苦労のようであれば、テキトーにお茶を濁して努力しないようにします。この点、ふつうのビジネスマンは類稀なる能力を持っていて「嫌な仕事はヒトに押し付ける」ことが上手なこと!自分がその餌食にならないように気をつけます。
しかし一見嫌な仕事に見えて、実は有用な仕事も混じっていますから、よく考えて仕事内容を見極めましょう。
嫌な仕事は誰もやらないから、もし自分がそれをやったら第一人者になることが容易です。しかも他の誰もやっていないので、他の人から見ると、大変な仕事を頑張ってやっているように見えます。
実は何ヶ月かして慣れれば大したことない仕事であっても「君はエライねぇ!」みたいに・・・。
そうすりゃ、その道では自分のやりたい放題ってことにも!

こういうカイシャに落ちているモノを拾うことは、私にとっては生きた財産と言えたのかもしれません。
そういうカイシャ経験は今のアーリーリタイヤメント生活でも役立っています。

アーリーリタイヤメント生活で、バランス・スコアカードをどう活かせるのか?については、まだ2年のリタイヤメント経験だけではうまく描くことができなかったので、
そいつはいつか、またの機会に記事にすることにしましょう。

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posted by 大庭夏男 at 00:08| Comment(0) | TrackBack(0) | その他 | 更新情報をチェックする